平成27年度 That’s避難訓練 実施レポート
近年高まる防災意識から、各地でさまざまなケースを想定した避難訓練が実施されています。
ロゼシアターにおいても、施設利用者、来場者の方から、災害時の対応について多くの問合せやお話しがあり、多くの人が集まる施設としての災害への対策意識の向上を目的として、また、災害への対応のニーズにお応えするため、平成28年3月5日(土)に実際の火災を想定した『避難訓練コンサート』を行いましたのでレポートします!
ホール受付を入ると、富士市消防本部の協力による、大震災や噴火等の際に派遣された、“緊急消防援助隊”の記録写真が展示されています。
緊迫した災害現場の写真、忘れかけていた過去の災害を思いだし、災害への意識がグッと高まります。
今回は、ロゼシアターの中ホールが会場です。
催事プログラムを手にした来場者が続々と集まってきます。一様に緊張の面持ちなのは、‘何かがある’といった期待感、不安感からでしょうか。
今回はゲストとして、地元富士市のチアダンスチームとして活躍しているCHEERS FACTORYさんにご参加いただき、先ずは、ダンスの始まりです!
さすが、チアダンスの全国大会や、世界大会で結果を出しているCHEERS FACTORY♪
迫力がすごいです!!
CHEERS FACTORYさんは、Mr.Childrenの桜井和寿とGAKU-MCのユニットであるウカスカジー「勝利の笑みを君と」、AKB48「心のプラカード」のMVにも出演している大注目のチアダンスチームなんですよ!
ダンスの最中に、なぜか中止の合図。
どうやら、火災の警報が感知されたようです。会館職員よりアナウンスが入ります。
現場を確認して災害本部への連絡です。日ごろの訓練もあり、頼もしい落ち着いた姿です。
アナウンスが入って間もなく、舞台の袖から煙がモクモク・・・。火の回りは早いのです。
火災の発生です!!
「安心してください。舞台演出ですよ。」
ロゼシアターの舞台スタッフが工夫をして、スモークマシン、照明、音を使い、実際さながらの火災を演出してくれています。
客席から見ると、まるで本物の火災のようです。
サイレンの大きな音と共に非常放送が流れます。
ホールの扉についているロゼシアターホールスタッフの発声により、避難の開始です。
扉には、スタッフが2名配置されており、来場者の先頭に立ち安全な場所へ誘導する係と、声を掛けて逃げる行き先を指示する係に分かれ、来場者をスムーズに避難誘導していきます。
日頃、来場者に座席の案内はしたことはあっても、火災の誘導は初めて。
今回は、今までにおこなってきた消防訓練の成果の見せどころ、ホールスタッフは落ち着いて誘導しています。
「落ち着いて行動してください!」の声により、来場者も落ち着いた行動が出来ています。
会館の外には避難する多くの人であふれています。
避難する方の表情はみんな真剣そのもの、実際の火災と同様に感じて行動をしてくれているようです。
先ほどまで、ステージにいた、CHEERS FACTORYメンバーも同じように避難です。
舞台裏でも、火災を想定した避難訓練を実施しています。
避難終了した後は、客席に戻って、反省会です。
今回は、富士市西消防署の署員の方が様々な箇所へ配置され、避難の様子をチェックしていました。
(ステージに立つ署員のキビキビとした連帯行動は、カッコ良かったです♪)
来場者の落ち着いた行動や、会館スタッフのしっかりとした判断、誘導について評価いただきました。
ただし、実際の火災では、思いもよらないことが多々あるようです。
思うような行動が出来ないこともあり、臨機応変な対応が必要になることを学びました。
ここからは、消防署隊員による、防災講座です。
避難訓練直後ということもあり、来場者は隊員の話に聞き入っていました。
ここで、消防隊員から教えてもらった災害時にためになる話をいくつかご紹介。
・知らない建物、場所に行ったときは、避難口を先ず確認すること。
・避難する際は、押さない・駆けない・戻らないこと。
・非常放送の指示には必ず従うこと。
・身の危険を感じることで、避難の行動が変わってくる。安全だと思いすぎると危険である。
ここで、改めてチアダンスです。
今度は、落ち着いて観れます♪
避難訓練コンサートも終演。
ホールを出るお客さんの表情は、いつもの公演で観る表情とは違い、連れの方と避難の行動について話をしている方も見られました。
ホールホワイエでは、会館の消防機器保守点検をしていただいている静岡ホーチキ株式会社様にご協力いただき、防災機器の展示会を行いました。
新しい防災機器の紹介もあり好評でした!
非常食のサンプルをいただきました。パンはすごくおいしく会館女性スタッフに大好評でした。
(私のお勧めは、オレンジ味です♪)
富士市文化会館では、開館以来、年に2回消防訓練・年に1回地震を想定した防災訓練を実施しています。
来場者を入れた訓練は初めての経験であり、会館スタッフも良い緊張感をもって取り組むことができました。
避難訓練コンサート後の反省では、今後への改善、課題点が多く見つかりました。
また、公演終了後のアンケートでも来場された方からも、『誘導員の声が小さかった』、『聴覚障害者への対応が出来ていなかった』等多くのご意見、ご指摘をいただきました。
富士市文化会館は、楽しんでもらう場だけでなく、安心安全に過ごしていただける場所となるよう、今後も努めていきます。
【協力】
富士市消防本部
富士市西消防署
静岡ホーチキ株式会社